2010年 08月 12日
「雁の寺」~相国寺瑞春院~
先月から、訪れてみたいとは思いつつ、この猛暑の中を出かける勇気(?)もなく、ついつい先延ばしにしていた、この夏特別公開中の「相国寺瑞春院」と「有栖川宮旧邸」。
この暑さの中を何回も出かけて熱中症に罹っては大変、いっそ一度で済ませてしまえと、丁度岡崎で開催中の「ボストン美術館展」の見学も兼ねて、久々に京都を訪れました。
これで、夏季休暇中の「課題」が一挙に三つも解決(?)しました(笑)。今回は「相国寺瑞春院」を紹介します・・・。

瑞春院は、作家水上勉が、9歳の時に若狭から出てきて13歳まで雛僧として禅の修行を積んだ場所であり、この寺にある襖絵をモデルにした「雁の寺」で直木賞を受賞したことから「雁の寺」としても有名です。
瑞春院には、この小説に出てくる雁の襖絵が今でも残っており、上田萬秋の筆になるリアルに書かれた水墨画をこの特別公開でも見ることができました。
ただ、この襖絵は小僧の身では入ることができなかった上官の間にあることから、水上勉氏が実際に見たのは別にある「孔雀の絵」ではなかったか・・・とも言われているようです。
そう言えば、玄関を入ったところに、立派な「孔雀の襖絵」もありましたが・・・・事実はどうなんでしょうか?
また、親元を離れての禅寺での厳しい修業に耐えかねて13歳で出奔したこともあってか、水上氏は直木賞受賞後も、暫くはその舞台となったこの寺を訪れなかった・・・
という後日談も解説者からお聞きしました。氏も、受賞したとはいえ、出奔した手前気まずかったのでしょう・・・。


枯山水の南庭「雲頂庭」です。
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あまり手入れが行き届いたとは言えない(失礼)この荒々しい感じがいいんです・・・・
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涼しければこの縁に座って暫くの間、庭を眺めるのですが・・・・
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池泉回遊式の「雲泉庭」です・・・茶色に枯れた苔が痛々しいです・・・
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池と周囲の植栽が見事にマッチしています・・・残念ながら蓮は蕾でした・・・
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こんなちょっとしたものにも「和」を感じます・・・
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茶室「久昌庵」です。直ぐ横に「水琴窟」があり、心に響く妙なる音色を聞くことができます・・・
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日本庭園には欠かせない「岩(石)」・・・日本人に生まれてよかったぁ・・・と思う一時です
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京都の町中にこんな緑・・・ほんとに贅沢な「空間」です・・・・
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この絵は「侘び」かはたまた「寂び」か・・・・
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水上勉氏は「而今(じこん)」という禅の言葉を心のよりどころにしていたという。
過去をとやかく言っても始まらない・・・未来はどうなるかわからない。 
今この瞬間をどう生きるか・・・簡単なようで凡人には難しいんです(笑)
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by yusai-takesan | 2010-08-12 16:03 | 京都古寺


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